位相法とは
位相法とは、命式中にある地支をもとに合法と散法を用いて、その人が置かれている状況や環境で起こりうる現象を推察する方法です。
その人が周囲からどんな影響を受け、どのような事に巻き込まれやすいのか、またその人が周囲に対してどんな反応を示すのかを読み取ることができる技法です。
宿命位相法 | 命式にある十二支同士の関係から本人の行動様式を推察する法 |
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後天運位相法 | 命式にある十二支と後天運に巡ってくる十二支との関係から、運の流れや状態・状況を推察する法 |
複数命式間の位相法 | 二人以上の命式にある十二支同士の関係から、人間関係を推察する法 |
陰占は現実面、陽占は精神面です。陰占が土台になる位相法は、精神的な状態や心の中を語ることはできません。あくまで、現実的なことの分析に使う技法です。
基本位相法8種
位相法は次の8種類の約束事に分かれます。
出会いや融合・調和を表す 合(陽:男性的) |
別れや分散・分離を表す 散(陰:女性的) |
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三合会局 | 半会 | 支合 | 方三位 | 対冲 | 害法 | 刑法 | 破法 |
「合」のグループが吉、「散」のグループが凶と捉えがちですが、その時の状況によってどちらがいいとも言い切れません。
なぜなら「合」は拡大などの意味もあるのですが、悪いことも拡大する可能性も秘めているからです。また、「散」に関しては、悪運や悪縁を断ち切りたい時に後転運で回ってきたら、その時期に断ち切ることができる可能性があるためです。
このように、その時の状況や境遇によって、柔軟に捉えていくことが大事になります。
8種以外にも「比和」と「無条」があります。比和は同じ地支が重なることで、無条はどの約束事にも当てはまらない状態です。
宿命位相法
年支と月支の約束事から推察
年支(東方)と月支(中央)の関係性を見て位相法の約束事が成立していれば、未来を切り開いていくエネルギーの大きさや広がりを推察できます。東方は未来や社会を表し、中央は家系や精神を表しますので、社会や職場などプライベート(家庭)以外での人間関係を推察することが出来ます。
月支と日支の約束事から推察
月支(中央)と日支(西方)の関係性を見て位相法の約束事が成立していれば、物事をまとめあげる力を推察できます。中央は家系や精神を表し、日支はプライベート(家庭)やパートナー(配偶者)を表しますので、親近者(親戚、身内)やパートナー、家庭の状況を推察することが出来ます。
年支と日支の約束事から推察
年支(東方)と日支(西方)の関係性を見て位相法の約束事が成立していれば、本人の行動様式や社会生活との関わり方を推察できます。
地支 | 方向 | 意味合い |
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年支 | 東方 (太陽が登る) | 物事の始まり/スタート/前進/未来に向かう/社会 |
月支 | 中央 | 物事のプロセス/手段/現在地/現在の立場・役割/家系 |
日支 | 西方 (太陽が沈む) | 物事の結果/ゴール地点/蓄積する場所/プライベート/家族 |
後天運位相法
後天運位相法は、命式内の十二支と後天運(大運、年運、月運、日運)で巡ってきた十二支との間に位相法の約束事が成立する場合に、その時々の運気の流れや変化を推察することが出来ます。
命式内の年支と後天運の地支の約束事から推察
命式内の年支(東方)と後天運に巡ってくる地支の間に位相法の約束事が成立する場合、社会的な面での出来事や、本人の事業、職場における人間関係などの状況を推察できます。本人が社会から受ける影響(事柄)や、それに対して本人がどんな反応・対応を取るのかがわかります。
命式内の月支と後天運の地支の約束事から推察
命式内の月支(中央)と後天運に巡ってくる地支の間に位相法の約束事が成立する場合、本人が置かれている状況や立ち位置、精神状態や自信の度合いなどを推察することが出来ます。家系との縁の深さや繋がりなどもわかります。
命式内の日支と後天運の地支の約束事から推察
命式内の日支(西方)と後天運に巡ってくる地支の間に位相法の約束事が成立する場合、プライベートにおける事象や事柄、身内やパートナー(配偶者)、子供との関係性を推察し、どんな変化があるのかがわかります。
宿命と後天運で約束事が何も成立しない場合
宿命の十二支が後天運で無条件(約束事が成立しない)の場合は、運気停止となる無条件の10年間(1年間)になります。その期間は、良くもなく、悪くもなく、変動が少ない10年間(1年間)になります。
しかし、その10年(1年間)が明けた次の10年(1年間)に対冲や害、半会などの約束事(その他の約束事も含む)が回ってくるとその現象が鮮明に感じます。
- 大運は心持ちだけど、年運は現実的な行事が当てはまる。
複数命式間の位相法
複数の命式間で位相法の約束事を見る場合、その人達の関係性や関わり方の傾向を推察することが出来ます。
この場合は、年支・月支・日支全ての柱同士の組み合わせを見ます(※東方、中央、西方の方向性はもたせません。)。
特殊位相法4種
位相法は、三合会局、半会、支合、方三位、対冲、害法、刑法、破法の基本8種類(比和も含めると9種類)以外にも特殊なものがあります。
これまで紹介した位相法8種は地支の組み合わせによる約束事でしたが、干支の特殊な組み合わせにおける約束事として、下記の7種類が存在します。
大半会 | 天干が同じ&地支が半会 |
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律音 | 天干・地支が同じ(同干支) |
納音 | 天干が同じ&地支が対冲 |
天剋地冲 | 天干が陽同士/陰同士の相剋&地支が対中 |
空中分解について
空中分解とは、宿命と後天運を見たときに、三合会局や半会など合の位相法が3つ以上重なる場合に起きうる現象です。通常、三合会局や半会は良い意味で捉えられるため、たくさん重なれば重なるほど良いんじゃないか?と思いがちです。
しかし、三合会局や半会が多すぎると状態が膨らみすぎて収拾がつかなくなってしまい空中分解してしまうのです。これは、何事もバランスが大事で「程々」の重要さを示しています。三合会局や半会が多い時に散(対冲・刑・害)もあると運気のバランスが取れて空中分解は免れます。
三合会局や半会が3つ以上重なると、誰でも積極的に行動したくなるものですが、空中分解の時期に行動すると空回りになってトラブルになりやすいのです。行動しなければしないで精神的におかしくなる傾向があります。イライラして夜眠れなくなったりノイローゼ気味になることもあります。
もし空中分解になる時期がある人は、その期間は行動面で対冲などの性質を意識的に取り入れてみましょう。
対冲の要素を取り入れる習慣や意識付けとしては
- 慎重に、用心深く
- 何事も、急がずゆっくりじっくりと
- むやみに物事を広げようとしない
- 人付き合いは程々にして、本当に重要な人たちだけと付き合う
- 物事を厳選して、重要でないことはキッパリ断る
- あまり目立つようなことを自らしない
です。
上記③④⑤の要素を取り入れるのにおすすめなのはエッセンシャル思考です。ぜひ参考にしてみてください。